自己破産の損得
自己破産の最大のメリットは、債務の免責が認められれば利息はおろか元本まで消滅させることができることです。
これにより、過去の借金清算ができて新しく一からスタートできることになります。
ただし、デメリットもあります。
その1、
あなたに財産があれば強制的に債権者へ返済されることになります。
財産が不動産や絵画・宝石・車などであれば競売により返済し、残債が免責となります。ただし、現預金で20万円まで等のように裁判所で定められる一定金額内の財産であれば所有することができます。
家族の方が、保証人になっていない限り直接的な影響はありません。しかし、同居していれば家財道具を競売で処分されると不便にはなるでしょう。
その2、
クレジットカード・各種ローンについて、
信用情報機関は5年間、個別の金融機関によっては7年間ほど記録保存(ブラックリスト)しますので、その期間内であればカード会社及び銀行などの審査で履歴を照会されますので否決の可能性が高くなります。
その3、
自己破産すると官報情報に掲載され、10年間保存されます。官報は一般の人には馴染みがなく目につくことはありませんが、開示されますので誰でも知ることができます。
その4、
自己破産して、免責を受けるまでは警備員や士業(弁護士、司法書士、税理士など)に就くことはできませんが、あくまで免責になるまでの期間ですから深刻に考える必要はないでしょう。
【免責の却下事由】
自己破産の申立てをして、その後の免責が認可されないケースがあります。
浪費やギャンブルにより、多額の借金をしたケースっでは、破産法によれば免責不許可事由です。また、財産があるのに、財産を隠して破産申立てしたケースも同様に免責不許可事由です。
その他のも、破産法252 条に明示されている免責不許可事由があります。
しかし、免責不許可事由に抵触するケースでも、その程度が軽ければ大方の場合、裁判官の裁量で免責を認めてくれます。